

融合による心地良さを切り取る
私は撮影現場に足を踏み入れる前に立ち止まり、
かがみ込んで、手のひらで床材の質感を確かめながら、
撮影の段取りや構想を練ります。
床は室内空間の印象を左右する大きな要素です。
ラインの通りや納まりのディテール、そして素材の表情などをじっくりと観察してから撮影に入ります。

写真家高島 慶
1978年熊本生まれ。2002年東京工芸大学芸術学部写真学科卒。
同年よりナカサアンドパートナーズに所属しインテリア、建築、プロダクトを中心に活動中。
ここは、利用者が気持ち良さそうに
時を過ごす空間「風待ちテラス」。
数多くの心地良さの融合によって、成り立っているのがこの空間の特徴です。
構図も描写も特定のものが映りすぎないよう、引き算をしながら、伝えたい大事な部分を残すように心がけました。
カメラの背後にある照明を落として、手前から奥へ床の明度を上げながら、床面にグラデーションを描くなど、連続する空間の奥行きや広がりを意識しています。